監督:Tsai Ming liang 蔡明亮
キャスト:Yang Kuei Mei 楊貴媚 ヤン・クイメイ (May)
Lee Kang sheng 李康生 リー・カンション (Hsiao-Kang)
Chen Chao jung 陳昭榮 チェン・チャオロン (Ah-Jung)
大学時代に見た台湾の映画。
いわゆる芸術映画。
映画の解説を見ると、
「現代の台北を舞台に、孤独な男女3人の生き方を、冷徹なカメラワーク、極端に少ない台詞、一切の音楽の助けを借りない俳優たちの陰影豊かで繊細な演技など、抑制された演出でつづった人間ドラマ。」
だそうで、とても見たい気持ちが湧き出る映画とはいえない。
少なくとも、私にとっては。
大学時代になぜこの映画をみたかは忘れたけど、
でも面白かったっていう感覚は残っている。
久しぶりにこの映画を再び見た。
解説の通り、音楽が一切ない。台詞も少ない。
たまに出る台詞も映画の粗筋とはほとんど関係がない。
にもかかわらず、見始めたら、目を離すことができない。
音楽がないことにより、映画はとても、現実的に感じられる。
主人公の女性が見せる表情。
何の喜びも悲しみもなく、感情が見られない顔から、
一人でいる時の自分の姿が見える。
大学時代に見た時、
最後の主人公の号泣が理解できなかった。
泣き出した時には、何故泣くのか、びっくりしたくらいだ。
しかし、今もう一度見たら、
なぜか、映画の主人公とともに自分も泣いている。
主人公の辛さ、悲しさ、孤独が痛烈に感じられたからだ。
愛情萬歳。逆説的なタイトル。